令和4年 大田・品川・目黒三支部合同研修会

令和4年7月28日(木)午後6時30分より、大田区入新井集会室の大集会室にて、当支部が幹事支部となって、毎年恒例の大田・品川・目黒三支部合同研修会が開催されました。参加者は大田支部会員21名を含め、三支部合計で49名でした。

今年もまたコロナ禍においての開催となり、また第7波の真っただ中の実施ではありましたが、広い会場で受講者間の距離を保ちながら感染対策を徹底して催行されました。

今研修会のテーマは、宮内・水町IT法律事務所の弁護士 宮内宏先生による「電子契約の基礎知識」です。宮内先生は、デジタル庁「DX推進ワーキンググループ」や、総務省「マイナンバーカードスマホ搭載検討会」等々に参画するなど、IT分野を広く専門に活躍なさっている先生で、特に電子契約に関しては著書(日本法令「電子契約の契約書」)も刊行されています。当支部理事の東郷祥太先生(司法書士兼業)が司法書士会でご登壇なさった宮内先生のご講演内容及びそのお人柄に感銘を受け本合同研修での開催に至りました。

講演の前半では、契約書を交わす意義を確認し、どのような契約類型が法令により書面(紙の文書)で交わすことを限定的に定めているかを見ていき、その結果多くの契約が電子化可能であること、そして書面(紙の文書)と比較して、電子文書においては、印紙代削減だけでなく、作業効率の向上と文書関連費用の削減に大きなメリットがあることを知りました。続いて裁判における文書証拠力について、「真正な成立」を証明することの必要性を確認し(民事訴訟法)、電子署名法により一定の条件を満たす場合に電子署名の推定効が規定されていることを教えていただきました。

講演の後半では、まずは電子署名(デジタル署名)について、その構造や作成方法、加えてその効果を認証する機関等のご説明をいただきました。電子署名の実施方法には、当事者型電子署名である①「ローカル署名」と②「リモート(クラウド署名)」、そして③「立会人型署名」の3方式があります。書面(紙の文書)においても、実印を押捺するシーンと、三文判を押捺するシーンを自然に使い分けています。また原本送受でなくFAXで法律行為をするシーンすらあります。それと同様に電子署名においても3方式のどれが一番本人性や証明力が高いかの議論ではなく、3方式をシーンによって使い分けるべきであるとご教示いただきました。

続いて、我々行政書士の実務に一番関連するであろう「代理行為と電子署名の代行」の内容に入りました。代理と使者、そして代行の3用語の違いを確認した後、電子契約における電子署名代行の課題について検証しました。行政書士名義で本人を代理できる(=効果が本人に帰属する)立て付けの契約であれば問題ないのですが、本人名義で契約をする代行業務の場合、3方式の電子署名のうち③「立会人型署名」においては、契約名義は本人であっても行政書士名義で電子署名することとなってしまい、当該文書の有効性が疑われることになります。よって電子契約においては、本人名義の電子署名を行政書士が代行署名するという業務に限定されることになります。この点においては、質疑応答でも質問に出るくらいにみなさんの関心の高い観点であり、今後の法整備に期待をしたいと思います。

その他にも長期署名、電子帳簿保存法、裁判のIT化にも触れていただき、約2時間の研修ではありましたが、ボリューム満載のご講演を宮内先生にはしていただきました。

最後に目黒支部の野田支部長と、次回幹事支部である品川支部の今年度着任された長谷部支部長のご挨拶をいただき、また品川支部であり、東京都行政書士会市民法務部の部長である金子先生より、マイナンバーカード申請手続相談員として積極的に活動することへの鼓舞をいただき、会は無事終了しました。ちなみに今年も、コロナ感染拡大予防のため、残念ながら懇親会を開くことは叶いませんでした。

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