令和4年度 大田支部法教育出前授業(蒲田小学校)

令和4年10月14日(金)に大田区立蒲田小学校で、大田支部法教育ワーキンググループによる法教育出前授業を実施しました。

メイン講師は大田支部の滑川知也会員が1クラスで、青木幹治会員が2クラスでそれぞれ務め、サブ講師は大松香織会員が1クラスで、根嵜知恵子会員が2クラスでそれぞれ務めました。その他大田支部の5名の会員が授業のサポート役として参加しました。

授業のテーマは、大田支部法教育の「恒例」である「身近な生活と関わりのある法律と契約」です。今回は5年生の3クラスで授業を実施しました。当日は蒲田小学校の学校公開日だったこともあり、保護者も来校していて、大田支部の法教育出前授業を見学される保護者もいらっしゃいました。

一見5年生にとっては難しいテーマに思える「身近な生活と関わりのある法律と契約」ですが、極力平易な言葉を用いてゆっくりかつ丁寧に説明し、法律用語のボード・パワーポイントのスライド・写真なども駆使して、児童の視覚にも訴える形で授業を進めていきました。

具体的な授業の中身ですが、最初は鉛筆などの文房具の貸し借りを例に「使用貸借契約」が成立することを説明しました。その流れで、書店では「申込」と「承諾」によって「売買契約」が成立することを、人気キャラクターの「チコちゃん」の本を実際に購入した際に撮影した写真を用いて説明しました。

次に、複数の班を作ってもらった上で、「みんなで考えてみようのコーナー」として次の3つのケースについて児童たちに考えてもらい、発表してもらいました。

<ケース1>お腹がペコペコの一郎くんが、とあるコンビニエンスストアで500円の牛焼肉弁当を買ったところ、後になって食べるのをやめようと思ってお店からお金を返してもらおうと思ったときに、お金を返してもらえるか?それとも返してもらえないか?

<ケース2>ある日五郎くんがとある家電量販店で、保護者にこっそり10万円のパソコンを購入したところ、家に帰ってから保護者にひどく叱られ、「お店に返してきなさい」と言われて返しにいったときに、10万円のパソコンを返せるか?それとも返せないか?

<ケース3>とある日小学校5年生のたか子さんがオンラインゲームをやっていて、その途中で「このアイテムは18才以上でないと買えません。購入しますか?」という表示が出てきたところ、どうしてもそのアイテムが欲しくて、保護者からは「お金のかかることはしちゃだめだよ」と言われているにもかかわらず、嘘をついて「購入する」のボタンを押してしまい、そのままゲームを続けたところ、後日アイテム購入金額5万円の請求書が保護者に届き、保護者から「この請求書何なの?」と聞かれたときに、請求金額5万円は払うべきか?それとも払わなくてもよいか?

児童たちに考えてもらう際には、授業のサポート役である大田支部の会員が各班をまわり、児童たちからの質問に答えたりヒントを出したりして、児童たちと一緒になって各ケースを考えました。児童たちは終始真剣になって各ケースについて考え、自分なりの意見を一生懸命書き出していました。発表の際には、多くの児童が自分自身の言葉で一生懸命意見を出していました。

そんな中、配布した民法の条文を根拠に正解をズバリ答えて周囲を驚かせた児童もいれば、大人たちでは思いつかないような発想で興味深い意見を出す児童もいて、大田支部法教育ワーキンググループのメンバー一同が感心してしまう場面もありました。

授業の最後には、講師から「未成年である小学生は、法律によってしっかり守られている存在である一方で、嘘をついたり不誠実なことをしたりした場合には法律によって不利な結果になってしまう場合もある。」ということを児童たちに伝えました。また、今後児童たちが中学生・高校生になり、自分のスマートフォンなどを所有するようになれば、今回の出前授業の「ケース3」のようなことが実際に起きてもおかしくないと思われますので、こうした点も児童たちに今のうちに少しでも意識してもらうよう伝えました。

今回の出前授業によって、児童たちに少しでも法律と契約をより身近な存在として認識してもらう結果になれば幸いです。今後も大田支部では法教育活動を継続し、盛り上げていく所存です。

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